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私がラジオのしゃべり手を目指すようになったのは、昔聞いていたラジオのしゃべり手に憧れてのことです。

私が貪るようにラジオを聴くようになったきっかけは入院でした。
１２歳の身空で肝臓を患ったんです。
というと今の私を知る人は必ず
「さすがドイちゃんすでに呑んでたのか！」
と言いますが、もちろんそんなことは断固としてありません。
生牡蠣が原因でＡ型肝炎に罹ったんです。
まあ、ともあれ入院しまして、暇でしょうがない日々を送っていました。
６人部屋なのに患者は私を含めて２人だけ。
しかも、もうひとりはお相撲中継が生きがいのおばあさん。
今の私なら仲良くなったかもしれませんが、当時の私では話があうはずもありません。

そんなわけで、私はラジオを聴くようになったんです。
まず、ＮＨＫのリクエストアワーという番組をかかさず聞くようになりました。
この番組、曲紹介をしてから音楽がスタートするので、好きな曲をエアチェックするのに助かったという思い出もあります。
退院後は、当時の中学生のご他聞にもれず深夜放送にのめり込んでいきます。
谷村新冶の青春キャンパスのオープニングは
「お茶でも飲みながらごゆっくりおつきあいください」。
チンペイさんにひそひそ声で言われたりすると夜中気分が盛り上がったり。
ＡＭ、ＦＭ問わずいろんな番組を聴きました。

その中で一番好きだった番組が「中島みゆきのオールナイトニッポン」。
翌日の授業中に居眠りすると分かっていても必ず聴いていました。
大ヒットした「悪女」の唄の世界とは、まったく違う中島みゆき。
ツムジあたりから出てるような声での夜中のおしゃべりがおもしろくて布団の中で声を出して笑っていました。

どうも、あの中島みゆきさんに憧れたみたいです。私。
私はラジオの中島みゆきをよく知ってるお姉さんのように思っていました。
会ったこともないのにこんなに距離が近くなるっておもしろいなと思っていました。

思い出のラジオ番組ほかにもいろいろあるんですよ。
ＮＨＫのラジオドラマとか、ＫＮＢラジオの「ポップス80シリーズ」。
それに、ＦＭとやまの「由香の部屋」も。
それぞれの番組のパーソナリティが言ったこと断片的に覚えていたりもします。
もうずっと前のことなのにね。
私にとって「ラジオが運命」だったんですね。