声は大事!ブログ

心が若いってこと、おしゃべりが若いってこと

ここのところ芳村真理さんをテレビでお見かけする機会が、何度かありました。
品の良さと気さくな雰囲気の両方をいっぺんにお持ちなところが、夜のヒットスタジオの頃と変わらない。
「素敵すぎる!」
と思ったのですが、お年を知ってびっくり。82歳でいらっしゃるんですね。

いくつになっても美しい女性であり続けるためには、日々の生活習慣だけでなく心の健やかさもおおいに影響するんだろうなと思います。
画面の中の芳村さんは、周囲に興味を持って人の話を楽し気に聞き、なおかつ愚痴っぽいところなく人を気持ちよく褒めていらっしゃる。
内面もお若いのだなと思わされました。

 

今年の抗加齢医学会で、講演の序章として「老化とはどういうことか?」を簡潔にまとめてくださった先生がいらっしゃいました。
その中でとても印象強く残ったのが、「心も老いる」ということ。
私たちはつい、身体や頭が老いることに気が向きがちですが、心も老いるんですね。
そういわれてみれば、10代20代の頃はあらゆることに心が動き、しょっちゅうときめいていたように思います。
いくつになっても身の回りに心を動かし興味を持てるというのは、心が若い現れのように思えるのです。
芳村真理さんを見ていて、そんなことを思い出しました。

ところで、芳村さんは心がお若いだけではありません。
おしゃべりもお若いです。
声は息をたっぷり使って張りがあります。
滑舌が衰えていらっしゃらないことには、もっと驚かされます。
おなじみの芸能人の方を久しぶりに見たときに「お年を召されたんだなー」と感じるころありませんか?
そう感じた要因は、滑舌の衰えが大きいと考えています。
いまどきはお金と時間を使えば、見かけの若さを実現することは可能になりましたよね。
でも、おしゃべりは正直に若さの度合を示してしまい、声の張りは衰えて滑舌があいまいになります。
ところが、どうでしょう。
芳村さんの滑舌はとても爽やかです。
その理由は、頬が上がっていること。そのおかげで口角がよく持ち上がり口がよく動いています。
お顔の下半分を良く動かしてお話されているんですね。
その副産物としてお顔の重心は下に下がっていません。
なるほど、若々しく見えるわけです。
顔をよく動かせるということは、芳村さんが常日頃周囲のモノヒトすべてに心を動かしてよく反応なさっているということだと思うのです。

心の若さとおしゃべりの若さには、どうやら密接な関係があるようですね。

※写真は、滑舌の練習のスタンダード「ういろう売り」でおなじみの、小田原のういろう本店。

20171126